まだまだ先と思っていた高校進学問題が、もう目の前の問題となってしまいました。
わが家はひとり親家庭ですが、子どもにはそれなりに不自由なく過ごしてもらいたいと思っていますので、進学先の高校もなるべく子ども本人の希望するところで考えていこうと思っていました。
ところが、当の本人に「高校に向けての意識」が薄く、希望進路が二転三転しました。
中学1~2年時 娘の希望進路
中学生とはいえ、まだ自分自身の進路について現実味がなかったであろう時期でした。
将来の夢は保育士 でも勉強はできない娘の選択
同級生の中には「将来なりたい職業」も決まっていない子もいたようです。しかし、娘はこの頃は「保育士になる」と言っており、保育士になるにはどのように進学していけばよいのかを具体的に調べる姿も見られました。
しかしながら、学習面では決して「褒められた成績ではない」娘は、勉強することが好きではありません。また、娘には「アルバイトをしてお金を稼ぎたい」という希望もあったことから進学先は『定時制の高校にしたい』の一点張りだったのです。
ただ、娘にも娘の考えもあったらしく、
- 定時制高校でゆっくり学習
- 学習を進めながらアルバイトをして短大入学費用を少しでも溜める
- 空き時間に音楽系の動画チャンネルの立ち上げ
など、「高校へ行きながらも自分がやりたいこともやる」という中学生としてはそれなりにしっかりしたビジョンを持っていたようです。確かに、全日制の高校ではアルバイトが禁止されているところが多く、思うようにお金を稼ぐことができないのが実情です。その上での娘なりの考えだったようにも思います。
全日制の高校でなくて良いのか不安に思う母親
同級生の多くは全日制の高校へ進学するであろうと思われる中、娘の口から出た希望が予想もしていなかった「定時制高校への進学」だったこともあり、母親の私はどんなアドバイスをするべきか悩みました。
定時制高校への進学のメリット(学校による)
- 高校卒業の資格を得るために通う学校の選択として、定時制が悪いわけではない。むしろ、母子家庭の我が家にとっては学費の安さがありがたいくらい。
- 娘の好きなことをしながら、また仕事をしながら学ぶことができる。
- 定時制とは言え、県立高校。
- 制服もないため、入学に関しての諸費用もかなり安い。
定時制高校のデメリット
- 必要最低限の授業しか行わないため、大学進学を希望する場合はかなりの努力が必要になる。
- 基本的に卒業までに4年かかる。
- 娘が同級生と進路の話になった時に、話が合わなくなる恐れ。
- 定時制高校自体にはさまざまな事情を持った子が通うため、学校生活にきちんとなじめるか心配。
- 娘ががんばってきた吹奏楽の活動が思うようにできなくなる。
基本的には娘の希望を優先しつつ様子を見ることに
親である私ができることは、「娘の人生を見守る」ことしかありません。
もちろん、少し先を見据えてのアドバイスはしますが、その上で本人が「こうしたい」というのであれば、基本的には応援してあげようと思っていますので、この時もひとまず見守ることにしたのです。
中学1年生の時にはザックリと「定時制高校への進学」を希望していた娘も、2年生になると、「定時制高校へ通いながらお金を貯めたい」とお金を貯めるという目標もセットになったのです。
中学3年時 突然将来の夢と進路の希望が変わる
娘の心境の変化は、本当に突然やってきました。その変化を時系列で書いてみたいと思います。
中学3年春
この頃はまだ相変わらず、「定時制高校へ行く」と言っており、進路希望調査でも、定時制高校の学校名で提出していました。
すでに中学3年生ということもあって、さすがに私も少し心配になり、「見守り」から「アドバイスをする」ようになりました。
- 本当に全日制でなくて良いのか
- 好きな吹奏楽を高校でも続けなくても良いのか
- いずれ大人になった時には働かなくてはならないのだから、高校生である3年間の時間はもっと大切に考えないとだめだ
- 進学費用は気にするな
様々な声掛けをしました。
この時、娘がどう思っていたかはわかりませんが、反抗するわけでもなく、静かに聞き入れてくれていたようにも感じました。
夏の面談前に突然娘からの告白
「将来なりたい仕事がある。ゆくゆく専門学校に進学したい。」
将来の夢が変わったのでした。
幼いころから歌と音楽が大好きだった娘は、乳幼児期は常に歌って過ごし、小学生になるとピアノにも通い、合唱の伴奏をするくらいにまで腕を上げました。
中学校に入ると迷わず吹奏楽部に入部し、3年生の夏のコンクールまで1度たりとも休むことなく部活に力を入れてきました。
そんな娘が希望する将来の仕事は、「音響」の仕事なのです。
音楽をこよなく愛する娘にとっては「好きなことを仕事にできる」ので、良い職だと思いますが、私にはなじみがない職種でもあることから、
- 多くの需要がある仕事なのか?
- 女性でも働くことができるのか?
- 就職先はどこになる?
- お給料や勤務時間は?
- 結婚出産を経ても働くことが可能なのか?
などなど、心配事が尽きません。
そして、音響の仕事をするためにも、その道の専門学校に通うとまで言い出したのです。もちろん専門学校へ行くことが悪いわけではありませんが、万一在学中に「働きたい仕事の職種が変わった時」に専門的に学んできたことが無駄になってしまうリスクも心配になったのです。
同じ専門学校でも、看護師や美容師などいわゆる「手に職」といわれるような資格を得ることができるような学校であればまだしも、音響って…💦
高校進学の志望校も変わる
部活動の引退後からでしょうか。
娘は「吹奏楽を続けたい」と思うようになったようで、「全日制の高校に通いたい」と言うようになりました。
しかしながら成績の悪さから、選ぶ高校も限られている娘。学費の絡みで公立高校へ通わせるにしても、1~2校くらいしか選択肢がありません。ですが、うち1校が吹奏楽に力を入れている学校ということで、娘の希望進学先は「吹奏楽に力を入れている公立高校」に決まりました。
中学3年夏の面談
中学3年生の夏の面談。先生たちは生徒の進路希望を把握したうえで話を進めてくれます。
「公立を受けるには5教科はオール3以上無いと厳しいですよ。」
実はこの段階で娘の仮内申の5教科には「2」が一つ存在していました。授業態度、提出物などは問題ないものの、「テストの点が取れない」ことがネックになってるとのこと。「もう少しだけ点数が取れれば2から3になりますから、次のテストで頑張って。」と伝えられました。
ちなみに技能教科は「問題なし」とのこと💦
中学3年秋の面談
夏の面談時に出されていた仮内申ではなく、「前期の決定内申」をもとに話が進められていきました。
仮内申で「2」だった教科も、ギリギリ「3」にのり、ひとまず5教科オール3以上というボーダーを超えることができました。ひとまずほっ…としたのもつかの間、
「希望する高校のボーダーにはのってはいますがギリギリですので、当日のテストの点を頑張らないと厳しいですよ。」
この時、娘は公立単願(滑り止め無し)で受験を考えていたので、担任の先生もかなり心配されていました。
- 希望する高校の学科にこだわりがあるか?(偏差値や倍率の低い学科を狙う)
- 学校のランクを1つ下げる選択は考えているか?
- これからのテストで各教科+3~5点あげることができるか?
- 万一受験を失敗した場合、どうするつもりなのか?
結構厳しめに言われたように感じますが、娘本人に大きな焦りが見られないこともあり、少し大げさに言ってもらえて良かったのかもしれません。
上記の先生からの話も踏まえて、12月に再度面談を行うのです。
中学3年12月の面談
わが家としてはお金のかかる私立よりも、公立の高校に進学してもらいたいと考えていました。公立高校の受験に失敗してしまった場合は、「再募集」か「定時制高校の入学」でも致し方ないと考えていたのですが…。
「滑り止めに私立の学校も受験を考えてもらえませんか?」
と勧められました。
12月の面談時には、「希望されている公立の高校に入れるのは五分五分です。」と言われてしまったのです。
- 近年、徐々に人気が上がりつつある学校
- 娘の通う校内での進路希望調査でも、倍率が高かったこと
などを懸念してのことでした。
正直母親である私も、娘が希望する公立校への進学ができるかどうかは怪しんでいたこともあり、私立高校への進学も視野に入れることにしました。
幸いにも娘の成績でも、私立高校は何校かの中から選ぶことができるようなので、すぐに調べ、これまた「吹奏楽に力を入れている私立校」を併願校として選ぶことにしました。学校見学や入試説明会などは参加してはいませんでしたが、今の時代、ネットや動画サイトで充分な情報を得ることができます。娘と一緒に学校の様子や部活動の様子などを調べて決めました。
私立高校の入学費用問題
私立高校と言えど、授業料に関しては国と県から補助が出ることで、年収の低い家庭はほとんど負担が無くなりました。
しかしながら、私立の高校は入学時にかかる費用として最低でも50万~60万はかかります。この費用を捻出することは、我々母子家庭では「かなり難しい」ことなのです。
もちろん、貯蓄する努力はしていましたが、日々の生活費も物価の高騰・光熱費の高騰に比例してカツカツ状態です。
入学費用を出すほどの余裕はありません。
ということで我が家では、「ひとり親家庭向け貸付制度」を検討することにしました。居住地域の社会福祉事務所で相談から手続きまでをおこなってもらえます。
ひとり親家庭の子どもが「私立高校」へ進学!?入学金や諸費用の支払いに困った時に利用できる制度【母子及び父子並びに寡婦福祉資金貸付制度】
さいごに
わが家の娘の場合、
定時制高校→公立高校単願→公立高校と私立高校の併願
というように受験の志望校が変化していきました。
定時制高校希望だった娘が全日制にこだわりを見せたのは、「部活動の引退」と「級友との志望校に関する話」の影響が大きかったのではないかと思います。
高校3年間の中で「自分のやりたいこと」を見つけることができたようなので、その目標に向けて受験を頑張れると良いなと思っています。
わが家と同じく「受験生」を持つご家庭は多いと思います。インフルエンザやコロナに負けないように無事に受験を終えることができると良いですね。
今回の記事は2022年最後の記事となります。
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